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児童養護施設 「聖小崎せいこさきホーム」

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   00/05/04 (Thu)  〔検証〕児童施設内虐待 子供の人権守るには
2000/05/04(木) 毎日新聞朝刊
〔検証〕児童施設内虐待 子供の人権守るには

 北九州市の児童養護施設「聖小崎ホーム」の関係者が職員の在園児童への虐待を証言した問題で、市は調査の結果、「しつけの範囲内」と虐待の存在を否定した。これを受けて最近開かれた教育関係者らの集会では、市の調査に疑問を示す意見が相次いだ。全国に目を転じれば、家庭内虐待などから保護された子供が暮らす同様の施設で虐待が起きていることが、次々に明るみに出ている。施設の子供たちの人権を守るため何をすべきなのか。各地で模索が続いている。【高倉 友彰】

◆「聖小崎」の市調査受け しつけ、体罰巡り疑問の声相次ぐ

 「絶対に許されない体罰を『しつけ』名目で容認している」「親の保護がなく被害を訴えづらい子供たちの心情を考えていない」。4月25日夜、北九州市の公民館。元教師や福祉施設職員ら約20人が集まった「子どもの権利を考える経験交流会」の月例会は聖小崎関係者の話を聞いた後、市調査を巡る発言が相次いだ。

 聖小崎職員や在園児に事情聴取した市は、職員が布団たたきや竹刀で子供のしりなどをたたいたと認定した。だが「子どもはたたかれた理由を納得している」「口頭注意後で激しくたたいたこともない」として、しつけの範囲内であり虐待ではないと結論づけた。

 この判断に疑問の声が上がった。学校での体罰問題に取り組む元教師の渡辺●<「さんずい」の右側に、「ム」の下に「且」>・福岡県教育法研究会長は「市教委が『しつけのためで、熱心さの余りにしたことだ』と体罰教諭や学校を擁護するのと同じ構図だ」と指摘。聖小崎の問題を扱った市社会福祉審議会児童福祉専門分科会での論議と同様「第三者による公平な調査とは言えない」という批判も出た。

 施設長は子供への懲戒権を持っており、市調査の「しつけ」は、これが基になっている。しかし、政令は懲戒権の乱用を禁じ、厚生省は関連通知で▽殴るける▽食事を与えない▽施設を退所させると脅す▽子供を無視する−−といった具体例を挙げて、「しつけ」名目の逸脱行為をいましめた。
 聖小崎の平田寛理事長によると、虐待の指摘を受けた職員5人は理事会調査に対し「行き過ぎた点があった」と反省を語ったという。平田理事長は「子供を厳しくしつけようとするのは熱心な職員。行き過ぎがあっても、その後に心と心のつながりで関係を修復し、子供が納得すれば、しつけと言える」と説明した。市調査と同じような理由で、虐待はないとの考えだ。

 経験交流会は市に、調査の問題点を指摘する文書を出す予定。市は「再調査の予定はない」と言うが、県弁護士会や福岡法務局北九州支局はそれぞれ調査を続けている。

◆「職員が足りない」「専門知識も不足」 関係者指摘
 多くの児童養護施設は終戦後、戦災孤児院としてスタートした。子供が生き残るために最低限必要な衣食住を提供する場だった。

 現在、孤児はほとんどいない。子供たちには責任のない家庭の事情で入所する場合が大半だ。家庭内での児童虐待が社会問題化して以降は、虐待で心身が傷付いたまま入所する子供が急増。「聖小崎でも在園児の約4割がこうしたケース」(小田雅憲施設長)だという。

 ある元聖小崎職員は「施設には、心に傷を負った子供をケア出来るような専門知識を持った職員はほとんどいない。子供が少しでも問題行動を起こすと、手っ取り早く暴力で抑えつけようとする職員もいる」と施設の体質を振り返る。
 虐待を受けた子供は周囲を挑発するような言動をしてしまい新たな虐待に遭う傾向がある。アメリカでの症例研究で分かった「虐待的な人間関係の再現」という現象だ。例えばこんな事態を避けるには児童心理の専門的理解が欠かせない。
 聖小崎は虐待・体罰防止を目的に外部講師の話を聞く職員研修を定期的に開いているという。平田理事長は「職員の力量不足は事実。4月からはカウンセラーにも来てもらって資質向上に努めている」と話す。

 一方で、たとえ資質が向上しても、子供とじっくり向き合う時間を取るのは全国のどの児童養護施設でも難しい。職員不足という構造的な問題があるからだ。

 市内の別の児童養護施設職員は「子供たち一人一人の話を聞いてあげたいが時間がない。宿直の晩に就寝時間後も起きている子と話しこむのが精いっぱい」と嘆く。職員数は施設の最低基準(厚生省令)がおおむね子供6人に職員1人と定める。実際は宿直や公休がある交代勤務なので、3交代なら3倍の18人を職員1人で担当しなければならない。施設施設内外の状況は大きく変化したのだが、職員数の基準は1948年の制定時から変わっていない。

◆「第三者機関」設置も 全国各地で取り組み進む

 「福岡育児園」、千葉「恩寵園」、神奈川「鎌倉保育園」……。全国で続く施設内虐待の発覚を受け、予防や再発防止の取り組みが各地で始まっている。
 大人の方が強いから子供は権利で護られているんだ−−。「権利」と書かれた台に立ち、大人と肩を並べた子供が笑う。聖小崎の子供が描いた絵だ。北九州市児童相談所と市児童養護施設協会が今年作成した冊子「子ども人権ノート」の裏表紙を飾った。

 人権ノートは、在園児が自らの基本的人権について理解を深め人権侵害に「ノー」と言えるようにすることで、体罰や虐待を防ぐ狙いがある。大阪府や千葉県、福岡市なども既に作った。

 市内6施設で4月下旬、ノートの説明会があった。肝心の子供の反応は今一つ。質問攻めを期待していた相談所職員は「文章が難しかった。より分りやすくしなくては」と話す。一方で「作成までの約2間、冊子内容について話し合ったお蔭で『体罰はよくない』と各施設職員に徹底できた」点を成果に挙げる。

 東京都や神奈川県は子供の権利擁護のため、施設や行政の職員が一人も入らない「第三者機関」を作った。神奈川県の子ども人権審査委員会は弁護士や医師、大学教授ら8人で、昨年、鎌倉市の施設「鎌倉保育園」の虐待疑惑を調査した。まず卒園児や元職員らの話を聞いた後、施設側の言い分を聞いて体罰などの存在を認定、県が施設側に改善勧告する根拠となった。

 国も今年度、「客観的・専門的立場の第三者」が児童養護施設の児童処遇を評価する仕組みを全国10自治体で発足させる。施設をより開かれたものにするには、外部の目が不可欠という発想が第三者機関設立の根底にある。

 児童福祉法第1条は「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに……育成されるよう努めなければならない」と定めている。次代を担う子供たちの養育は社会全体の責任だ。施設の子供たちへ人権侵害が起きないよう、地域や行政のより積極的な取り組みが求められている。

 児童養護施設 「保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童」を養護し、自立を支援する施設(児童福祉法第41条)。2歳未満の子供には乳児院があり、3〜18歳が対象だ。

 全国で555施設(定員33865人)に28041人が暮らす(1998年10月現在、厚生省調べ)。この子供らにとっては家庭に替わる唯一の安らぎの場だ。

 だが現実には各地で虐待の発覚が続いている。福岡市の「福岡育児院」(95年)は次長がバットで殴るなどの体罰で降格処分▽千葉県船橋市の「恩寵園」(96年)は園長自ら体罰を繰り返し、二男の指導員は性的虐待をしていた(今年4月、強制わいせつ容疑で逮捕)▽「鎌倉保育園」(99年)は体罰以外に外出禁止の人権侵害があった。職員2人が解雇され、理事会も総入れ替えとなった。


   00/04/29 (Sat)  施設での児童虐待防止に外部の手を(記者ノート)
2000/04/29(土) 朝日新聞朝刊
施設での児童虐待防止に外部の手を(記者ノート)

 「先生がぎゅーっとつねるんだ」。くりくりとした目で、幼い兄弟は話した。2人は神奈川県の児童養護施設「鎌倉保育園」で暮らしていた。15年ほど前のことだ。

 当時、横浜市の「三日里親」制度に登録していた私の家は、正月と夏休みに1週間ほど施設の子どもたちを迎え、一緒に過ごしていた。

 職員から受ける暴力は時々話題になった。施設で何かが起きている。けれどはっきりと分からない。「もやの向こう」だった。

 だから昨秋、神奈川県が鎌倉保育園に改善勧告を出したときは、はっとした。体罰、特別な部屋への隔離、私物の勝手な処分が、第三者機関の調査で明らかになったのだ。千葉県の「恩寵(おんちょう)園」でも虐待が公になった。

 私のいる北九州市でも3月、養護施設「聖小崎ホーム」で職員が体罰や無視をしているという告発を受け、市や弁護士会が調査を始めた。

 園の生活を知ろうとする取材は難航した。園長は記者会見で「名誉棄損で告訴も考える」と言った。園内では「告発人捜し」があり、職員が自由に発言できる状況ではなかった。子どもも園に不利なことを話せば、居場所を追われかねない。被害者も、そう簡単に事実を話してはくれない。

 「大人不信」は、大人を信じられる経験の乏しさからくる。言いたいことを言って怒られたり、無視されたり、内容をねじ曲げられたりした経験の方が、子どもたちには多いように思う。実際、北九州市は「気分次第でなぐられた」と証言した中学生を「虚言癖がある」と決めつけ、「虐待はなかった」という結論を発表した。

 しかし、この問題を報じた記事には、施設での同様の被害を訴える声が数多く寄せられた。「虐待」は、決して特別なことではなかった。

 「もや」は、はらわれてきた。その手がかりをつくった告発者と被害者を孤立させてはいけない。外から、子どもや職員を支えるたくさんの救いの手が求められている。

 (社会部・小笠原みどり)


   00/04/22 (Sat)  許されない罪(記者有情)
2000/04/22(土) 毎日新聞朝刊
許されない罪(記者有情)

 よどみなく質問に答えていた、その子の態度が変わった。テーブルの下で右足を小刻みに揺すり、明かに落ち着かない。「もう一つは……」。しばらくして、入所先の施設職員から半年間も無視されたという、最もつらい体験を語り始めた。

 最後に「だれにも話したことがなかった。初めて話した」と聞いて、その理由が分かった。落ち着きのなさは葛藤の表われだったのだ。

 大人から肉体的・精神的暴力を受けた数多くの子どもと接してきた専門家は口をそろえる。「信用できる相手、と確信できるまで決して子どもは話さない」「暴力ではなく『しつけ』を受けたのだと自分に言い聞かせ、子どもは自我を守ろうとする。成人後も同じだ」

 大人の暴力は子どもの心を長期間“支配”する。「児童虐待」。決して、許されない罪だ。

(T2)


   00/04/20 (Thu)  北九州市の調査法に疑問の声 児童養護施設での虐待を検証
2000/04/20(木) 朝日新聞朝刊
北九州市の調査法に疑問の声 児童養護施設での虐待を検証

 北九州市八幡西区の児童養護施設「聖小崎ホーム」(小田雅憲園長)で、職員が子どもに体罰や精神的な嫌がらせをしているという訴えが市に寄せられた。市は職員や退職者、卒園者ら計三十一人に事情を聴き、一カ月後の今月四日、結果を発表した。「虐待の事実はなかった」と結論づけ、「しつけが虐待と受けとめられることがないよう十分な配慮を」と指導した。調査を検証する。(社会部・小笠原みどり)

 ●「密室性がない」

 三月十日から、市の児童家庭課長と児童相談所長(当時)が聞き取り調査に入った。 二歳児を壁に投げつけたといわれた職員は、証言内容を否定。前園長や園の高校生ら五人は「知らない」と答えた。目撃者はいなかった。市は「事実はなかった」と結論づけた。

 当事者間の言い分が食い違い、目撃者もいない場合、市は「補完する証拠がない」として、証言者がうそをついていると判断した。

 児童相談所長は「養護施設は家庭と違って、複数の人間が暮らすオープンな場所だ。密室性はほとんどないので、目撃者がなければ事実もなかったことになる」と説明する。

 しかし、園では女児、幼児や小学生、高校生がそれぞれ別棟で暮らしている。帰宅時間も違い、時間帯によって人気の無くなる部屋や場所はある。夜間は職員数も減る。

 養護施設の虐待問題を次号で扱う「季刊・子どもの権利条約」編集長の喜多明人・早稲田大教授は市の姿勢を批判する。「養護施設では、目撃者がいても出てこない。子どもにとっては最後の居場所で、職員も職場を失いたくない。問題が外に出にくいという意味で密室中の密室だ。家庭内の虐待より取り組みが遅れている」

 ●「責任能力がない」

 虐待があったとする五十一項目の証言には、被害者として小学生(事件当時)を中心に三十人前後の子どもが登場する。だが聞き取りの対象は、主に在園期間が長い高校生三人に絞られた。児童家庭課長は「年少者は証言の責任能力に問題があるから」と説明する。

 「職員の気分次第でたたかれた」と話した中学生もいたが、市は「虚言癖があり、信ぴょう性に乏しい」として、施設側の主張通り、「理由なしにたたくことはなかった」と認定した。

 市社会福祉審議会児童福祉専門分科会のメンバーで、調査報告を受けた河嶋静代・北九州大助教授は「子どもの証言能力を疑うより、子どもの心理をふまえ、聴取の技術を持った第三者が聴くことの方が真実を知るには重要だ。話を聴かないのは、子どもの意見表明権を否定している」と指摘する。

 ●「理由あればしつけ」

 結局、市が事実として認定したのは「布団たたきでおしりをたたいた」「児童の了解なしに引き出しを点検した」「おやつを抜いた」など八項目だった。しかし、いずれも「しつけの範囲内」と結論づけた。
 「しつけ」の認定基準として、市は(1)子ども自身が納得できる理由があると理解しているか(2)子どもの行為と罰の程度が相応しているか(3)子どもを感情でしかっていないか、を挙げた。

 しかし、東京都子どもの権利擁護委員会前委員長の吉田恒雄駿河台大教授は「子どもに『納得しているか』と聞くのは酷だ」と指摘する。「虐待を受けてきた子は『あなたが悪い』と言われ続け、そういう意識を植え付けられている。職員は教育の専門家のはずだが、『行為と罰の程度』を比べるというのは、教育ではなく刑罰の発想だ。体罰で受ける子どもの傷を『しつけだから』と大人が一方的に容認している」

 ◆施設で何が起きた… 関係者の証言から

 「入所してきたばかりの二歳児が不安がって泣くので、抱きかかえてなだめていた。そばに来た先輩保育士が『抱っこせんで』と言うので、勤め始めて間もなかった私は子どもを下ろした。子どもは私にしがみついてきた。すると、先輩保育士は『中途半端なことをするから』と言って、子どもの襟首をつかみ、ごみを捨てるみたいに壁に向かって投げた」
 聖小崎ホームの元職員は三月末、取材に対してこう証言した。一九九二年十二月のことで、「驚きで声が出なかった」と振り返った。

 この出来事を含む最近までの五十一項目の虐待証言を三月九日、複数の関係者が市に文書で提出した。

 例えば、(1)剣道のけいこへ行く車に乗るのが遅れた小学生三人が職員に髪をつかまれ、頭を壁に打ち付けられたと泣いていた(2)中学生の机の引き出しを職員が開け、窓から中身を放り出した(3)無断外泊した高校生を無視するように周りに命じた、など。

 ホームは社会福祉法人カトリック社会事業協会が経営する。親の虐待や経済的な事情などで、幼児から高校生までの六十人が暮らしている。取材に応じた元職員は在勤中、「何でそんなことで子どもに手を出すのだろう」と異常さを感じることの連続だったという。愛情を必要としている子ばかりなのに、「社会に出るまでに厳しさを教える指導」が優先していた。

 ◆他県では… 「第三者機関」がまず周辺を調査

 養護施設の虐待は千葉県船橋市の恩寵(おんちょう)園や神奈川県の鎌倉保育園などで表面化したことがある。県が昨秋改善勧告を出した鎌倉保育園の場合、調査方法は北九州市とまったく違った。

 弁護士や医師ら八人の「かながわ子ども人権審査委員会」が調査主体となった。県が設けた団体だが、児童養護施設の設置許可や指導権限を持つ県とは一線を画す「第三者機関」だ。

 調査にあたっては、まず県内の児童相談所から情報を集め、退園した児童や退職職員、保護者ら二十四人から聞き取り調査をした。複数の証言から共通の事実が浮かび上がると、園長や職員に説明を求めた。園の中にいる子どもには一切接触しなかった。

 調査にあたった副委員長の影山秀人弁護士は「最初から施設へ行っても否定されればおしまいだ。どの子から話を聴いたか分かる状況では、子どもが施設の影響を受けたり仕返しされたりする。『特別な指導に感謝している児童がいるので聴いてほしい』と園から言われたが、拒否した」と話す。
 調査の結果、体罰や特別な規制がある部屋に隔離したり、退所時に小遣いや私物を勝手に処分したりしていたことが分かった。

 委員長を務めた高橋重宏・日本社会事業大教授は北九州市の調査について、「『しつけ』かどうかなど、市の考えと事実が混同している」と批判する。「事実認定の後、子どもがどう感じたかを基準に判断すべきだ。自治体は指導機関として怠慢を責められるので、施設をかばいがち。その結果、『園を傷つけた』という犯人捜しだけが生まれるだろう」

 <北九州市が公表した事実認定調査の一部>

 ●虐待証言の内容

 1.子どもや職員からの聴取結果
 2.市の認定

 ●小1の女児を職員が布団たたきで激しくたたき、大泣きしている女児を追っていった

 1.女児はよく覚えていなかった。
   職員4人は「しつけでおしりをたたいたことはあった」と言った

 2.しつけでおしりをたたいたことはあったが、激しくたたいたことはなかった

 ●剣道の送迎時などに、職員が竹刀で子どもをたたいた

 1.在園者と卒園者計9人のうち2人が「頭や背中をたたかれた」。職員は「軽くたたいた」
 2.注意しても聞かないときに、しつけとして頭をコツンとたたいたことはある

 ●問題行動のあった子を指し、「この生徒を無視しなさい」とほかの子どもたちに指示した

 1.「もう知りませんと言って考えさせることはあるが、無視を指示したことはない」(職員5人)。「自分から長い間ものを言わないことはあった」(在園者3人)
 2.児童と一定の距離をおいた指導はあったが、無視を指示した事実はない

 ●小学生の男児に草刈り作業中、かまの刃で頭をたたき、かなり出血した

 1.現在高校生の本人は「そういうことがあったかもしれないが、よく覚えていない」。職員5人も「覚えていない」など

 2.事実は確認できなかった。児童観察日誌には、ふろ場で転んで出血したという記録はあった


   00/04/13 (Thu)  北九州の児童施設 「虐待なし」市報告に批判−−社会福祉審分科会「調査は第三者機関で」
2000/04/13(木) 毎日新聞朝刊
北九州の児童施設 「虐待なし」市報告に批判−−社会福祉審分科会「調査は第三者機関で」

 北九州市八幡西区の児童養護施設「聖小崎ホーム」の関係者が児童虐待を証言した問題で12日、市社会福祉審議会児童福祉専門分科会(藤岡佐規子・分科会長)が市役所であった。「虐待はなかった」との市の調査結果に対し、委員から調査方法などを巡り批判や注文が相次いだ。

 市は4日、前・児童相談所長と市児童家庭課長が在園児や職員ら31人に個別聴取した結果として「一部は『軽くたたく』などの体罰があったが、しつけの範囲内だ」などと発表。分科会は主に、調査結果報告のため臨時で開かれた。規定により非公開だった。

 同課や複数の出席者によると、委員15人中11人が出席。複数の委員が「児童相談所も市も施設の関係機関。公平な第三者機関を設けて調査すべきだ」「『軽くたたく』だけで心が深く傷つくこともある。単純に『虐待はない』と判断できない」「児童心理の専門家が聞かなければ、子どもたちは虐待を訴えづらい」などと市調査を批判した。

 また、児童福祉法に基づき分科会に調査権限があるとして「最終結果だけでなく途中経過も分科会に報告すべきだ」との意見が出た一方、「伝統ある立派な施設だ」と施設側を擁護する発言もあったという。同課は「委員の意見は今後の参考にさせていただきたい」と話している。

 分科会は児童福祉法に基づき設置される「市児童福祉審議会」に相当する。

【高倉友彰】


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