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児童養護施設 「埼玉育児院」

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 *04/07/26 (Mon)    改善計画、26日県に提出


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   04/07/15 (Thu)  【職員虐待、9年前から】施設長の辞任決定 埼玉育児院
埼玉新聞 2004/07/15(Thu)
【職員虐待、9年前から】
施設長の辞任決定 埼玉育児院

 
 施設長と職員による施設内虐待が発覚した川越市の児童養護施設「埼玉育児院」(大谷リツ子理事長)で、県が今月六日に行った施設長解任を含む運営改善勧告で、入所児童に「不適切な処遇」を行ったとして「明確な方針の下に適切な対応」を行うよう求められた複数の職員のうち男性指導員の一人が一九九五年にも子どもに身体的虐待を加え、所沢児童相談所、県児童福祉課(当時)が立ち入り調査していたことが十四日、分かった。この指導員は、二十六日までに県へ回答することが要求されている理事会側の改善計画で示される「改善委員会」メンバーとなる可能性が高く、県の対応が注目される。

 当時の関係者によると、この男性指導員の虐待は(1)内部告発(2)入所児童による直接の児童相談所への訴えで発覚、県議会でも取り上げられた。複数の入所児童からの聞き取り調査で虐待が確認され、県は暴力を伴わない「処遇マニュアル」の作成を育児院側に指示。作成過程で児童相談所側が厳しく指導した。

 埼玉育児院をめぐっては、別の訴えに基づき県が二○○三年十一月に行った聞き取り調査でも、別の保育士による「つねる、押す、食事を与えない」などの施設内虐待が確認され、県は、処遇改善を求める通知を県健康福祉部長名で今年二月九日に出した。

 これに対し育児院側は、今年三月、(1)施設長、当該保育士が児童に謝罪(2)入所児童のための権利養護委員会の新設―などの改善策を文書回答していた。

 ところが実際には保育士は謝罪したものの、河東田もと子施設長はいまだに謝罪せず、権利擁護委員会も発足はしたが機能していない、という。三月下旬には常勤職員全員一致で施設長解職要求が提出されたが、理事会では検討されなかった。五月十七日の県運営適正化委員会への匿名申し立ては、こうした背景で行われたとみられる。

 理事会は十四日までに、河東田施設長の辞任を決定。今後一切の運営に加わらせないことを確認した。大谷理事長は解任を主張したが、賛意が得られなかったという。

 今月六日付の知事名による運営改善勧告を含め、県はこれまで計三回の指導を行ったことになり、事態の深刻さを裏付けている。


   04/07/14 (Wed)  『児童養護施設内で虐待』 日常的に暴言、暴力 川越・埼玉育児院
埼玉新聞朝刊 2004/07/14(Wed)
『児童養護施設内で虐待』
日常的に暴言、暴力 川越・埼玉育児院


 家族による虐待や養育力不足のため、家族と暮らすことが困難な二歳から十八歳未満の子どもが入所する川越市の児童養護施設で、施設長が入所児童に対し、日常的に子どもの生い立ちや保護者をひぼうしたり、「施設から出て行ったら」と退所を示唆する言葉で脅迫するなどの虐待行為を繰り返している。このため同施設を運営する社会福祉法人理事長に対し、県が施設長解任を求める「運営改善勧告」を出したことが十三日、分かった。さらに県は、複数の職員が入所児童に暴力や脅迫を行ったことも認定しており、これらの職員にも「明確な方針の下に適切な対応を図る」よう求めた。児童養護施設長に対する解任勧告は県内初ケース。

 施設長解任を県から勧告されたのは、川越市にある児童養護施設「埼玉育児院」(大谷リツ子理事長)。勧告は上田清司知事名で今月六日付で行われた。

 改善勧告などによると、理事でもある河東田もと子施設長は、学校の部活動に必要な道具を施設側がなかなか買ってくれないため、買ってほしいと頼んだ入所児童に対し「こんな高いのを何で買う必要があるのか。部活に入らなくてもいい」と発言した。また入所高校生の生活態度を注意した際に「義務教育ではないし親もいるのだから施設から出て行ったら」などとも発言した。

 さらに、部活動入部届に押印してくれないことに抗議した児童には「才能がないから入部するな」と発言。こうした言葉による脅し、辱め、嫌がらせなどの心理的虐待を日常的に加えていた、という。

 施設長の発言は、五月十七日に県社会福祉協議会内に設置されている苦情処理の第三者機関「県運営適正化委員会」(青木孝志委員長)への匿名申し立てを受けて行われた聞き取り調査で確認された。

 適正化委は六月三十日付で河東田施設長に不適切な発言を慎み、職員に子どもの人権に配慮した指揮監督を行うよう求める改善指導通知を出すと同時に、県知事あてに調査結果を通知した。

 通知によると、施設長による懲戒権の乱用禁止を定めた児童福祉施設最低基準(第9条の2)に抵触する十項目が確認され、理事長にも通知されている。

 立ち入りによる入所児童、職員への聞き取り調査は(1)社会福祉法人への指導責任を持つ中核市・川越市(2)児童の養護を施設側に委託している県(3)最も多くの児童を措置入所させている所沢、川越両児童相談所の三者が合同で六月中旬から集中的に三回連続で実施した。

 通常、第三者機関である適正化委は行政とは別に調査するが、埼玉育児院は三月にも別件での運営改善計画書の提出を求められていたため「事態は深刻」(県こども家庭課)と判断され、極めて異例の合同立ち入り調査となった。

 さらに、苦情申し出から四十数日という短期間で、児童養護施設では県内初の施設長解任を含む改善勧告が出たのも異例だ。

 県は、保育士、指導員など男女複数の職員が、子どもをたたく、「施設を退所させる」と脅迫する―などの「不適切な処遇」を行ったことも把握している。このため勧告では、虐待を行った職員に対し「明確な方針の下に適切な対応を図ること」を要求している。

 理事会側が県へ改善計画書を提出する期限は今月二十六日。

〜認識に温度差〜

 埼玉新聞の取材に対し、河東田施設長は「あくまで理事会で決める」と答えた。十項目の児童福祉施設最低基準抵触行為については「コメントはご遠慮する」と語った。

 大谷理事長は「施設長自身は虐待との認識がない。施設長は辞任するが、理事に残るかもしれない。後継者は現理事となる可能性が強い。児童に虐待を加えた職員は解任できないと思う。根本的な立て直しに努力したい」と語り、県勧告と温度差を見せている。
養護施設「埼玉育児院」

 1912(大正元)年に設置された(社会福祉法人認可は1952年)定員60人の小舎制児童福祉施設。「養育に欠ける(児童福祉法)」満2歳から18歳未満の児童が対象。現在措置入所しているのは3歳から17歳までの56人(幼児8人、小学生23人、中学生13人、高校生12人)。職員数は院長(施設長)、指導員、保育士、心理士など33人。理事会は9人で構成。


   04/07/11 (Sun)  川越の養護施設、児童に暴言・体罰 県が運営改善勧告
朝日新聞 埼玉版 2004/07/11(Tue)
川越の養護施設、児童に暴言・体罰
県が運営改善勧告


 入所している子どもたちへの暴言が日常的に続いたとして、県が川越市の社会福祉法人「埼玉育児院」(大谷リツ子理事長)に対し、児童福祉法に基づく運営改善勧告を出していたことが10日までにわかった。

 この施設は、家庭内虐待などが原因で、家庭で生活できない3〜18歳の約50人が入所している児童養護施設。

 県などによると、福祉施設の苦情を受け付ける「県運営適正化委員会」に寄せられた情報をもとに、県などが6月16日、同施設に立ち入り調査した。その結果、一部の職員が子どもたちに「お前、出ていってもいいんだよ」などの暴言を日常的に浴びせたほか、数時間立たせたままでの説教や、拳で殴る体罰などをしていたという。

 大谷理事長は朝日新聞の取材に対し「次の理事会で院長は辞任する。新院長の下で改善策を講じたい」としたが、「施設に対して長年の功績がある」などとして、院長を処分する考えはないことを明らかにした。


   04/07/10 (Sat)  「埼玉育児院」の子供らに日常的暴言 県が運営改善勧告
毎日新聞(埼玉版) 2004/07/10(Sat)
「埼玉育児院」の子供らに日常的暴言 県が運営改善勧告

 川越市の社会福祉法人「埼玉育児院」(大谷リツ子理事長)で、入所児童らへの暴言が日常的に繰り返されたとして、県が同施設に対し児童福祉法に基づく運営改善勧告を出していたことが9日、分かった。

 県によると、福祉施設の苦情を扱う「県運営適正化委員会」からの依頼を受け、6月16日に調査をしたところ、職員の一部が子供に「施設から出て行け」「いやだったら退寮すれば」などという言葉を浴びせたり、数時間立たせたまま説教をしていたことが分かったという。

 県は今月6日、こうした暴言などが厚生省令の定める「児童福祉施設最低基準」違反にあたると判断した。職員は「しつけのつもりだった」などと説明しているという。

 同施設は国や県の措置費で運営される社会福祉法人。虐待や離婚などが原因で引き取り手のなくなった3〜18歳の子供たち五十数人が共同生活している。県は「心を痛めている子供たちを傷つける行為は許されない。今後も指導を続けるが、改善されなければ(勧告ではなく)命令も検討する」としている。

 同施設の女性院長は「(勧告は)意外で驚いている。理事会を通じて良い方向にいくよう改善策を検討していきたい」と話している。【村上尊一】


   04/07/26 (Mon)  改善計画、26日県に提出
埼玉新聞 2004/07/26(Mon)
改善計画、26日県に提出
- 虐待の養護施設「埼玉育児院」理事会 -

 
 施設長や複数の職員による入所児童への心理的・身体的虐待があったとして、県内初の施設長解任と職員への「適切な対応」を求める運営改善勧告を県から受けた川越市の児童養護施設「埼玉育児院」(大谷リツ子理事長、入所児童56人)は、26日、理事会側の改善計画書を県に提出する。

 異例の迅速勧告を出したとはいえ、育児院の施設内虐待を県が認知したのは、今回で少なくとも4度目となる。繰り返される子どもの権利侵害の根絶へ毅然(きぜん)とした態度を取るのか、“小手先指導”を繰り返すのか―多くの関係者が注目している。

 今回の勧告の直接要因となった県運営適正化委員会への申し立ては五月十三日。だが、県は九年前から事態を把握していた。

 一九九五年十二月十二日の県議会一般質問で、岡真智子県議(社会・当時)が埼玉育児院について「高校受験を希望する入所児に受験許可を出さない、暴力が振るわれる、施設長や職員の意にそぐわないことをすると『親元へ帰れ』『親から捨てられてここに居るしかないのだからおれの言うことを聞け』と暴言を浴びせられる」などと詳細に指摘、改善策を県に質した。

 これに対し外園健一県生活福祉部長(当時)は「児童相談所、施設監査委員と連携し、発生原因を明らかにして再発防止を指示する」と答弁している。

 二○○○年には、ある入所児が所沢児童相談所に「子どもの権利ノート」にとじ込まれているはがきを使って、権利侵害を訴えた。しかし前施設長による“犯人探し”が行われる結果となり、この入所児は「児童相談所が秘密を守るなどというのはウソだ」とほかの児童に忠告した。

 川越児童相談所に直接訴えた別の児童もいたが、やはり前施設長の耳に入り、嫌がらせを受けたという。勇気ある子どもたちが傷ついている。

 県は昨年十一月十八日、別の訴えによる聞き取り調査を実施。その結果、職員による虐待が確認されたとして、今年二月九日には健康福祉部長名の改善通知を施設側に出している。

 県知事名の七月六日付施設長解任勧告は、この延長線上で出されたものだが、九年間もの間、抜本的な解決を図れなかったことを県自ら認めたともいえそうだ。

 虐待を受けた子どもの治療が専門の大阪大学大学院人間科学研究科臨床心理学講座助教授の西澤哲さん(臨床心理士)は、育児院の虐待の原因について「あくまで報道の範囲内だが」とした上で、極めて古い体質や施設養育観に起因するのではないかと指摘する。

 「現代の児童福祉は『子どもの人権保障』を基本理念として、科学性と専門性をもって行われているが、一昔前までは『慈悲』『慈善』が基礎だった。そのため、サービスの提供者側には子どもに『情けをかけている』『してあげている』との感覚が生まれがちだった。

 さらに十分なサービスを提供すると、かえって自立の妨げになるから一定水準より劣ったレベルにとどめるべきだ―という『劣等処遇論』も主流だった。報道された施設長発言にはこれらが垣間見える」

 さらに西澤さんは、施設運営をリードすべき法人や理事会自体も同様の福祉観にとらわれており、正常に機能していなかった可能性が高い、として「法人、理事会ともに抜本的な施設健全化計画を立てる能力はないだろう。行政や民間の専門家を加えた『第三者委員会』が計画立案から実施、検証、評価までを行う以外にない」と語る。

 特に、虐待を加えた職員や前施設長が子どもの生活空間にとどまり続けることは、施設内虐待解決の鉄則である子どもたちの安心感の回復を最優先する視点からみて「極めて有害だ」という。

 県内児童相談所のある関係者は、虐待から救出した子どもの一時保護を埼玉育児院に委託したり、入所措置するのは「しばらく見送らざるを得ない。今最も必要なのは、児童相談所の面接調査では聞き取れない『子どもの今の気持ち』を、日常的に直接接している職員が真摯(しんし)にくみ取っていく作業だ。そのためには、全職員が前施設長の功罪や、それを許してきた職員の無力感や後悔などを話し合い、評価を一致させる。それを子どもたち全員に正直に伝え、子どもたちからの評価を受けることだ」と話した。


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